4K映像に対応するスクリーンとは?4Kスクリーンの考え方

4Kスクリーンとは

世の中にあふれる4Kスクリーン

amazonや楽天などのネット通販では、たくさんのプロジェクタースクリーンの商品があることに驚きます。
スクリーンメーカーに勤める筆者でもこんなにあるんだな~と思うのですから、スクリーンが欲しい人にとって、何を選べばいいのか分からないのが正直なところではないでしょうか。

大画面の楽しみ方は人それぞれ、求める映像のクオリティも十人十色と思いますので、大画面の楽しみ方、目的にマッチするスクリーンやプロジェクターを選定するのが一番だと思います。
決めつけは良くありません、筆者はそう考えます。

だから、超短焦点プロジェクターを使用して、白壁を使うことも良いでしょう。
時には、天井をスクリーンに見立てて楽しむ、寝そべりシアターもご紹介しました。
(参考記事)モバイルプロジェクターで寝そべりシアター!天井に映画や星空、夜景、花火の映像を映し、寝っ転がって楽しむプロジェクター活用法
もちろん、専用室で自分だけのシアターワールドを作ることは最高の楽しみです。

様々な楽しみ方が存在する大画面シアターライフですが、最高の映像品質で楽しみたい人もたくさんいます。
そういう人たちにとっては4K映像に対応する4K対応スクリーンが選択肢の一つになると思います。

しかし、この4K対応スクリーンが曲者でして・・・。
冒頭でも触れましたが、世の中に4Kスクリーンが溢れている・・・、た~くさんあります。

何が4Kスクリーン?といった疑問です。

どれを選べば良いのか悩むでしょう。
その悩みもスクリーン選びの楽しみと言ってしまえばそれまでですが、4Kスクリーンの明確な基準と言いますか、なぜそのスクリーンが4K対応スクリーンなのかと言う、明確な理由付けが無いように思います。

そこで、4Kスクリーンとは何?
そこについて考えてみたいと思います

スクリーンを作り続けて70年のオーエスグループがつくるOS SCREENだからこそ、4Kスクリーンについて芯のある考えがあります。
OS SCREENは世界で初のHDR適合スクリーンのレイロドール(HF102)をはじめ、映像美にこだわりぬいたスクリーンを作り続けています。

様々なメーカーが4K対応スクリーンに対するお考えはお持ちでしょう。
今回はOS SCREENの考えということででお読みください。

なぜ4Kスクリーンが必要か?

まず、4K対応スクリーンを考える際に、切っても切り離せない要素があります。
それが解像度です。

解像度
解像度の比較

プロジェクターの4Kとは光のドット数が3840×2160の事をいいます。
よって、解像度の進化に伴い、スクリーンも進化していきました。
現在、4K・8Kと言う解像度まで進化してきています。

解像度って何?って方は「表示素子?解像度?ピクセル?画素数?プロジェクターの解像度を分かりやすく解説」で分かりやすく解説していますので、参考にお読みください。

解像度の進化の過程は下記の通りです。

2000年代前
ハイビジョン(720p)
解像度1280×720
  ↓
2005年~2010年代中盤
フルハイビジョン(1080p)
解像度1920×1080
  ↓
2017年以降
4K
解像度3840×2160

このように解像度はより精細になり映像表現が豊かになってきました。
コンテンツの解像度が上がると共に、プロジェクターの解像度も向上し、4Kプロジェクターの普及、そして8Kプロジェクターも登場しています。
高解像度化により、画面は大型化が可能となり、それに対応するため、スクリーン側も進化が必要となります。
この時代の流れに伴いスクリーンに求められる要素も大きく変わっています。

4Kスクリーンの課題

4Kの高解像度映像=大型映像に耐えるスクリーンにはクリアしなければ課題がいくつかあります。
その中でも重要なの項目が次に挙げる課題1~3です。

4K映像を映し出すためのスクリーンの課題について見てみましょう。

(課題1)ゲインの向上

解像度が大きくなるにつれて画面サイズを大きくすることができますが、画面サイズが大きいほど、投写する映像は暗く(薄く)なります。
これは、映像の明るさが投影面の面積に反比例するためです。

映像サイズと明るさ

そのため、プロジェクターからの映像を明るく反射する必要があり、スクリーンゲインのアップを図る必要があります。
(参考記事)スクリーンゲインって何?ピークゲイン?ハーフゲイン?スクリーンの反射特性を数値で表すスクリーンゲインを徹底解説

4Kにより大型化する映像を明るく映し出すためにはハイゲインであることが条件のひとつです。

(課題2)暗部の締り、階調表現

白はより白く、黒はより黒く、大型化する映像に対して、コントラストの締りある映像でなければ4Kの映像が単調になってしまいます。
階調とは映像の明るい所から暗い所までの段階(グラデーション)のことです。最も明るい所から暗い所までの表現がなめらかに変化するほど階調が豊かな映像になります。

OS SCREENは生地特性毎に、異なる独自の表面(映写面)コーティングと黒のバックコートを施し、黒の締りと白のピークの伸びを両立し、高コントラストを実現しています。
このように、階調表現をがしっかりできること、すなわちハイコントラストの表現が必須となります。

(課題3)ディテール、高精細な表現

4Kの高解像度映像は精細に映し出さなければ、高解像度の意味がありません。
よって、ディテール、輪郭をシャープに映し出す高精細な映像再現が必要です。

同じ大きさの画面サイズを表示しても、大きな解像度コンテンツではドット数が増えるため、映像はより精細になります。
そのため例えばテレビの場合、25インチのテレビにはフルハイビジョンの解像度は必要なく、逆に60インチのテレビではフルハイビジョンでは解像度が足りず、4Kの解像度が必要となります。
解像度が大きくなることで、画面サイズを大きくしても、精細な映像を表示することができます。

解像度が大きくなることで、大画面に対応する事ができますが、大画面にすることで、ドット自体は大きくなり、フォーカス間が失われ、コンテンツが意図した表現と異なり、細部のパフォーマンスが落ちてしまいます。
そのため4Kの高解像度を再現するためには、高精細な表現が必須となります。

課題1~3の解決なくして、4K高解像度の映像を存分に楽しむことは叶わないと考えます。

逆に言いますと、上記の課題をクリアできることが4K映像に対応するスクリーンと考えます。

OS SCREENの考える4K対応スクリーンとは

4K映像に対応するスクリーンとは、上記の(課題1~3)の全てを満たすことが4K対応スクリーンと考えます。

結論

OS SCREENの考える4Kスクリーンとは、4K高解像度のソース=大型化する映像に対して、「明るく」「階調表現」「高精細表現」がしっかりできることです。

プロジェクターからの光は壁に映しても反射します。
ただ映れば良いと言うだけでは、決して4K対応のスクリーンとは言えません。
映像クオリティを求めのであれば、しっかりと4K映像に対する考えをもつスクリーンメーカーの製品を選ぶことをおすすめします。

「モアレレス=4K対応」ではありません

解像度が高くなり、映像を紡ぎだすドット(画素)が小さくなると、スクリーン表面の凹凸が見えることがあります。
その凹凸の影と映像の画素が干渉して作り出すモアレという現象がおこることがあります。

モアレ
モアレ現象

4K映像に対してモアレが出ないことが4K対応スクリーンであるように言われることがあります。
OS SCREENではそれは違うと考えます。

モアレが発生しないことは4K対応スクリーンの必要条件のひとつであり、十分条件ではありません。モアレレスは4K対応スクリーンの備えておくべき性能の1つであり、これだけにフォーカスをあてるものではありません。(モアレが出ないことは当然です)

モアレレス≠4K対応スクリーン

4Kコンテンツの魅力を100%引き出し、精細で暗部と白のピークの表現を再現し、明るく鮮やかに映し出すことが出来るスクリーンこそが4K対応スクリーンである証です。

まとめ

現在、たくさんの4K対応スクリーンが商品化されています。
しかし、本当に4K映像に向き合っているスクリーンがどの程度あるのか、筆者には疑問がありました。
だからこそ、真の4K映像に対する考え、4Kスクリーンの考えについて書きました。

OS SCREENは映像に対して真摯に向き合い、4Kスクリーンを開発、商品化しています。
>>OS SCREENブランドサイト

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我々はブランド対して自信とプライドを持ってものづくりを進めています。
だからこそ、これから大画面シアターライフを検討中の方には、自分が納得する最高のスクリーンを探してもらいたい、そう願っています。