プロジェクターのランプトラブル?ランプの割れ、破裂とは?ランプ異常の確認方法やランプ交換時期、トラブル時の対応について解説

割れたランプ

プロジェクターの光源について

プロジェクターにはレーザー光源やLED、ランプ光源などがあります。
以前の記事でレーザー光源とランプ光源について詳しく紹介しておりますので、光源の違いについては、「プロジェクターの光源比較、レーザーと水銀ランプの違いとは?特長、メリット・デメリットをご紹介」をご覧ください。

さて、今回はランプ光源についてのお話です。

ランプ光源とはプロジェクターの光源に水銀ランプを使用したタイプで、現在もランプのプロジェクターがたくさん発売されています。

オーエスグループは世界的プロジェクターブランドのOptomaの総代理店をしており、グループ内の国内工場でプロジェクターの受け入れ、出荷、メンテナンス、修理をすべてを対応しています。
そのため、プロジェクターの修理についても様々な知見を持ち合わせて対応している中で、ランプの交換や修理やメンテナンスに対応する事もあります。

今回はプロジェクターのランプトラブルについてご紹介します。

プロジェクターのランプトラブルとは

ランプモジュール取り外し
ランプ交換の様子

多くのプロジェクタ―製品で使用されているランプ光源。
レーザー光源と異なり、ランプ光源の場合、定期的なメンテナンスが必要となります。
そのメンテナンスを怠ることでランプトラブル(割れや破裂など)につながるケースが多々あります。

そこで、ランプトラブルを未然に防ぎ、快適な大画面ライフを過ごすため、ランプの寿命を延ばす方法(ランプに優しい使い方)そして、ランプトラブルが起きた際の対応方法についてご紹介します。

ランプは交換を前提とした消耗品

プロジェクターの仕様表を見てみましょう。
仕様表の項目の中に光源寿命があると思います。

例としてOptomaのプロジェクター(GT1080HDR)の仕様表を見ると、以下のようになっています。

プロジェクターの仕様表

赤枠で囲われたところがランプの使用可能な時間です。
15,000時間(DynamicBlackモード)、10,000時間(標準モード)、4,000時間(ブライトモード)と書かれています。
これの意味することは、それぞれの映像設定のモードにおけるランプ寿命の時間が書かれています。
それぞれの映像モードで明るさが異なり、明るさによりランプの発する熱量なども異なることから、寿命に影響してきます。
4000時間あれば、毎日3時間使用しても3.6年使用できる計算になりますが、設置する環境(エアコンや設置場所、ほこりの影響など様々な要因がランプライフに関係します)に大きく影響しますので、目安としてとらえてください。
機械製品のため個体差もあります。

あくまでランプの光源寿命の時間であり、プロジェクターの耐久時間ではありませんので、その辺は勘違いされないようにしてください。

よって、ランプは消耗品であることをまずは認識しましょう。
使用していくうち、必ず交換が必要なものです。
(参考記事)プロジェクターのランプ交換時の注意点とランプ交換の方法(実機を用いて実例紹介)

通常に使用していてもランプトラブルは発生することもありますし、寿命も訪れますが、ランプの寿命を延ばす使い方もあります。

ランプにとって優しい使用方法(寿命を延ばすため)

ランプは交換が必要であることはお分かり頂いたと思います。
では、そのランプを如何にして長く使用するかがポイントとなります。
ランプは熱を持つため、ランプに負担をかけないようにするためにはどのような運用が良いでしょうか。
以下、ランプライフを延ばすポイントをご紹介します。

(1)プロジェクターの電源のON/OFFを短い間隔では行わない。
短時間のON/OFFの繰り返しはランプに良くありません。

(2)長時間の運用はしない。
店舗サイネージなど長時間の運用の場合は、ランプ光源ではなく、レーザー光源のプロジェクターを使用することをおすすめします。
ホームユースで映画1本程度は全く問題ありません。

(3)クーリングをしっかり行う。
プロジェクターの電源を切る操作はびランプライフに大きな影響を及ぼしますので、正しい操作が必要です。
プロジェクターの電源をOFFにすると、熱を持ったプロジェクターを冷やすため、ファンが動きクーリングが始まります。
冷却ファンが動いているうちは、電源コードを抜くことないようにしましょう。

ランプへの負担を軽減することで、ランプライフを延ばすことが出来ます。

ランプ寿命を迎えたらどうなる?ランプの割れや破裂とは?

ランプが寿命を迎えた場合の症状にはいくつかのパターンがあります。

多いのが、使用しているうちに徐々に明るさが落ちていきます。
そして、プロジェクタ―からの光が出なくなります。
Optomaのプロジェクターの場合、電源がONになりません。(あれ、故障かなと言うことに)

使用頻度の多いユーザーであれば、寿命が近づき、ランプの明るさが徐々に落ちていることは気づかないこともあるでしょう。
相対的に見比べれば暗くなっていると思いますが、絶対的な評価では気づかないこともあります。

ランプに異常が生じると、インジケーターや画面表示が現れます。

ランプ交換アラート
このようなアラートが表示されます。(Optoma GT1080HDRの例)

また、ランプ寿命が近づくと映像にランプ交換の警告表示やインジケーターで表示されます。
異常アラートや寿命アラートは機種により表示方法が異なりますので、それぞれの製品の取扱説明書でご確認ください。
プロジェクタ―製品の多くはそのような機能を備えています。

使用限度を超え、そのまま使用することで、ランプが割れたり破裂する場合があります。

割れたランプ
ランプの内部が破損
割れたランプ
赤丸の部分に割れ

破裂というと怖いイメージが沸きますが、プロジェクタ―が破裂してバラバラになる訳ではなく、ランプのみが破裂をします。
破裂する時、音がします。
ポン」という破裂音がしますので、必ず気づきます。
そして映像は映らなくなります。
使用時に破裂音がした場合はランプトラブルを疑います。(破裂しているでしょう。)

ランプ異常時のトラブル対応方法

ランプ破裂などを避けるためにランプ異常や交換の表示/インジケーターが出た場合は、ランプの状況を確認しましょう。
交換のアラートの場合は速やかに交換するようにしましょう。

ランプが割れたり破裂した際は、破裂時に生じたガスを吸い込んだりしないように注意し、すみやかに部屋の換気を行ってください。
水銀ランプ内部のガスには水銀が含まれています。
万が一、ランプ破裂時にガスを吸い込んだり、目や口にガスやガラス破片が入った場合は、直ちに医師の診察を受けてください。
そのような状況はそうそう多くないと思いますが、万が一の時のため、知っておく必要があります。

ランプ異常が発覚した際、ランプの確認のため、本体の電源をOFFにします。
ランプは大変高温になります。
本体の電源をOFFにしてすぐにランプに触れるとやけどをする恐れがあります。
プロジェクタ―の電源を切り、冷却ファンが停止後に電源コードを抜き、しっかり冷えたことを確認してからランプの状況をチェックしましょう。

ランプの破裂の状況にもよりますが、プロジェクター内部で破片が飛び散ることがあります。
弊社でも修理で様々な状況を確認していますが、破裂の仕方は様々です。
破片がプロジェクター内部に飛び散った場合は内部の清掃が必要です。
自分で清掃が難しいと思った場合や清掃に自信が無い方、また、破片が多い場合などは、しっかりとメンテナンスができるプロに修理を任せましょう。
エアブローなどで飛ばして、飛び散った破片が内部の奥に入り込み、映像にぼんやりとした異物が映り込みことがあります。
破裂してランプを交換したのに映像がおかしい!と言ったこともありますので注意が必要です。

プロジェクター購入時のワンポイントアドバイス

ランプ交換の必要性はご理解いただけたと思います。

プロジェクタ―を購入される際は、交換ランプの部品を在庫していること、そして、メンテナンスまでしっかり対応できるメーカー製品を購入することをおすすめします。(そういった意味でOptomaのプロジェクターは安心の国内対応です!ちょっと自慢。)
壊れたら壊れっぱなしでは悲しいです。
ランプ交換はプロジェクターを使い続けていると必ず発生する作業です。
プロジェクターを末永く使うために、製品を選ぶ際はそのようなポイントも要チェックです。

まとめ

今回はプロジェクターのランプのトラブル、ランプ寿命を延ばす方法、ランプの破裂、その対応法についてご紹介しました。
水銀ランプは寿命があることをしっかりと理解して、ランプの使用限度が訪れたら交換するようにしましょう。

定期的にランプを交換して、素敵なプロジェクタースクリーンライフをお過ごしください。