そのプロジェクターの明るさって何?プロジェクターの明るさをANSIルーメンで計測すると驚きの事実が

ANSIルーメンタイトル

プロジェクターの明るさとは

プロジェクター選びで大切な要素の一つと言えば「明るさ」です。
明るさを無視してプロジェクターを選ぶことは無いでしょう。
勿論、解像度や投写距離など、大切な要素は色々とありますが、明るさは大切です。

これまでもホームシアターマガジンではプロジェクターの明るさについていくつか記事を紹介しました。
(参考記事)
プロジェクターの明るさを比較!600ルーメンと3000ルーメンの2台のプロジェクターを実際に投写、映像の見え方の違いとは

【200ルーメン編】プロジェクターの映像チェック!部屋の明るさ別にどのような映像が見えるのか実際に投影して確認

プロジェクターの映像サイズと明るさの関係について知ろう!大きい映像ほど暗くなる理由とは!?

なぜ、本サイトで明るさについて、いくつも記事を掲載しているかと言いますと、●●ルーメンと言われてもピンとこないためです。
プロジェクターの映像は室内の明るさにも大きく影響します。
相対的要素が強いです。
だからこそ、プロジェクターの明るさについては、これからも様々な視点で書いていきたいと思います。

さて、今回ご紹介する内容はプロジェクターの明るさ(ANSIルーメン)についてです。
プロジェクターのスペックに書かれている明るさの表記は、大手メーカーであればANSIルーメンで計測された値が記載されています。
概ねそうでしょう。

プロジェクターZU506T

一方で、光源の明るさを測定しそれがあたかもANSIルーメンで計測されたような値として記載されていることも残念ながらあります。
これの意味することはなにでしょうか。
それによる問題点について今回は熱く書きます。

ANSIルーメンとは

まず、ANSIルーメンについて解説します。
プロジェクターの明るさはルーメンで表記されており、ANSIルーメンは、米国規格協会(American National Standards Institute:ANSI)によって定められた、プロジェクターの光の明るさの尺度です。
プロジェクターから白色を投写し、スクリーン上の9点を測定し、平均値を算出したものです。
ANSIルーメンは多くのメーカーで計測されている方法で、国際的な機関の定めによる標準化された明るさの値です。

ASNIルーメンの計測方法

ANSIルーメンを求める方法は、スクリーン上の9点の明るさを測定し、その平均値です。
具体的にはスクリーン面を縦横3分割の計9つに分け、9面全ての中心部の明るさを計測し、平均照度(lx・ルクス)を算出します。
下の図をご覧ください。
①~⑨のそれぞれ算出したそのルクスに投写面の面積(平方メートル)を掛け合わせた値がANSIルーメン値になります。

よって、小さく投影しても大きく投影しても、面積を掛け合わせるので、値は同じになります。

平均値をとる理由は、プロジェクターの種別により中央が明るいく映るプロジェクターと全体的に均等に映るプロジェクターで明るさの差が出てきます。
平均値をとることで、スクリーン面としての明るさを知ることができ、プロジェクターの種別による不公平がなくなります。

プロジェクターの明るさ単位って何?

ANSIルーメンは測定方法が定まっているので、メーカーやプロジェクター商品が異なったとしても、明るさについて正確な比較ができます。
しかし、すべてのメーカーが残念ながらANSIルーメンで測定し、その測定結果をプロジェクターの明るさとして掲載していない事実があります。

ANSIルーメン以外にはプロジェクターの光源から出力された光を測定した「光源ルーメン」があります。
(その他にもあるようですが、今回はANSIルーメンがメインですので、ANSIルーメンと光源ルーメンに話を絞ります)

ANSIルーメンも光源ルーメンも単位は同じルーメンです。
それだけを見たら測定方法は分かりません。

しかし、光源ルーメン(単位:ルーメン)は、ANSIルーメンとは全くの別物です。
光源ルーメンは光を測定するので、ANSIルーメンより大きく計測されます。

ANSIルーメンはプロジェクターの光源から様々な過程を経てスクリーンに到達し映像になります。
その映像の明るさを測定しています。
当然、光源から発せられる光はカラーホイールなども通過しますので減衰します。

一方、光源の明るさを測定する光源ルーメンは、光源が発する光そのものの明るさを測定するので、プロジェクター内で映像に処理される前の明るさです。
当然、ANSIルーメンより高くなります。
光源ルーメンは実際はどのように測定しているのか、メーカー毎に異なるので、実際の所、良く分かりません。

ANSIルーメンも光源ルーメンも単位がルーメンと表示されるため、光源ルーメンでスペックに記載されていると、あたかも「ものすごく明るいプロジェクター」であるように見えます。
明るいプロジェクターと思いこみ購入したユーザーはこんなに暗いなんて・・・と言うことになってしまいます。
そして、プロジェクターは使えないと・・・残念な事になります。

簡単に言いますと下記のようになります。

・光源ルーメン:光源の光の明るさ
・ANSIルーメン:投影面の明るさ

単位は同じルーメン(lm)です。
どちらが明るく計測されるかは一目瞭然でしょう。

これにより何が起こるか・・・

2200ルーメンのプロジェクターをANSIルーメンで計測した結果・・・

弊社はスクリーン及び、プロジェクターの製造メーカーです。
プロジェクターの明るさを測定することは日常の風景です。

自社のプロジェクターを測定することが多いのですが、ある日、とあるプロジェクターの輝度を測定した時の話です。
そのプロジェクターの明るさの公表値は2200ルーメンです。

どうみても明るさが足りないように感じましたので、実際にANSIルーメンで測定したところ・・・驚きの結果が。

なんと

70ルーメンにも満たない数値(ANSIルーメン)だったのです。

2200ANSIルーメンと思いこんだ消費者はどう思うでしょうか。

光源ルーメンの計測値としては間違いないのかもしれません。(測定方法が分かりませんので何とも言えませんが)

しかし、意図的に明るさの種別(ANSIか光源か)を記載することなく、大きな値となる光源ルーメンだろう(推測)をスペックに公表することは、消費者の誤った購買に繋がることも十分に想定されます。
それはホームシアターを始める人にとってホームシアターの楽しさを奪うものです。

プロジェクターを選定する際はルーメンがどのような明るさの種別なのか、しっかりと確認したうえで、選ぶことをおすすめします。
大手ブランドの商品であれば概ねANSIルーメンを採用しています。
もちろん、OptomaのプロジェクターもANSIルーメンの明るさを採用していますので、安心してお選びいただけます。

まとめ

プロジェクターを選ぶ際の明るさはANSIルーメンの商品を選ぶようにしましょう。
極端に高い数値のルーメンがスペックとして記載されているプロジェクターは、その明るさの種類が何なのか確認することをおすすめします。

ANSIルーメンであれば、測定方法が確立されていますので、他メーカーの商品と比較しても同じような明るさであることは間違いありません。
正確な比較ができます。

大画面ホームシアターライフを心から楽しんでいただきたいためにも、プロジェクターの明るさについてしっかりと把握しましょう。

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