どっちを選ぶ?黒マスクありとマスク無しスクリーンの違いとは?それぞれのメリット/デメリットを比較

マスク有り無し

スクリーンと言えば、スクリーン面の周囲に黒い部分があるマスクありスクリーンをイメージされるのではないでしょうか。
スクリーン選定を検討された事がある方ならご存じかと思いますが、スクリーンには2種類あります。
スクリーンの周囲に黒い縁がある「マスクありスクリーン」と縁がない全面真っ白な「マスク無しスクリーン」です。

マスク無しスクリーンはマスクフリースクリーンやアスペクトフリースクリーン等とも呼ばれています。

マスクあり、マスク無しにはそれぞれ利点があり、選ぶポイントがあります。
今回はそれぞれの違いや特長について紹介いたします。

スクリーンの仕様が違う

当然、ブラックマスクありとブランクマスク無しとでは、縁があるか無いかという根本的な仕様が異なります。
マスクありスクリーンはイメージ部分(画面サイズ)が黒い縁で囲われています。
マスク無しスクリーンはスクリーン面全面が真っ白になります。
まずはマスクの有無でスクリーンの見た目が大きく変わります。(そりゃそうだ)

マスク有りとマスク無しスクリーンの違い

アスペクト比による制限

マスクありスクリーンの場合、マスクがあることで、映像の投写範囲が限定されます。(もちろん、黒マスクの間に白いスクリーン面が見えてよいなら話は別ですが)
黒マスクピッタリに映像を映したいので、アスペクト比を考慮した上でスクリーンの選定をすることになります。

例えば、16:9のマスク付スクリーンの場合、16:9のパネルのプロジェクターを使用して16:9の映像を視聴する際は問題ありません。
黒マスク内にピッタリと映像が収まります。

しかし、上記条件で映像を見る場合、16:10や4:3の映像ソースが入力されると、マスクの内側にスクリーン面が表示されることになります。
下の写真を見てみましょう。(う~ん・・・)

アスペクト比の違いによる映像の見え方

一方、マスク無し(アスペクトフリー)のスクリーンの場合、基本的に様々なアスペクト比の映像を画面いっぱいに映すことが可能となります。(プロジェクターの調整範囲に限ります)
黒いマスク部分が無いので、映像に自由度が高くなります。

マスク無しスクリーンのアスペクト比による違い

マスクの有無による映像の見え方の違い

映像のアスペクト比の制限の他に、マスクの有無で違うことがあります。
それが映像の見え方です。
マスクの有無で映像自体が変わることはありません。
しかし、人間の目の視覚効果により見え方の違いがあります。
下の図を見てみましょう。

見え方の違い

上の比較のを見てみると、桜の花の模様の色は同じですが、黒でおおわれている方が明るく、くっきり見えると思います。
人間の目って不思議ですね~。
同じ色でも、囲われている色によって見え方が違うんです。

これを色順応と言います。

色の対比効果によるものですが、これが黒マスクにも影響します。
実際の映像で比べてみると下の写真のような見え方になります。(暗い環境で撮影のため分かりにくいですが)

映像比較

同じ映像を映しても、黒マスクがあることで、映像のコントラスト感が高く、引き締まって見える効果があります。
シャープな映像になっている黒マスクの効果がお分かりいただけると思います。
マスク有りの方が没入感を感じられることでしょう。
暗い部屋で見ることも多いスクリーンですが、周囲をどれだけ暗くしても、黒マスクのようには映像の周囲を黒くすることは難しいです。
プロジェクターからの光の影響もあります。

黒マスクの効果はテレビの縁(ベゼル部分)と同じです。
映像を黒の縁で囲うことで、締まった映像になり、コントラスト感の高い印象になります。

これがマスク有無による映像面の違いになります。
映像の周囲が黒い事にはしっかりとした意味があります!

メリット・デメリットの比較

黒マスクの有無によるメリット・デメリットを簡潔に比較すると以下の通りです。

項目マスク有りマスク無し
映像のアスペクトの制限×
制限を受ける

制限を受けない
映像の見え方
視覚的な効果あり

マスク有りのような視覚的効果はなし
設置環境の制限
黒マスクがあることで設置しにくい場所もあり、
制約を受けることも

真っ白のスクリーンはどのような場所にもマッチしやすい

スクリーン選定のポイント

マスク有りとマスク無しスクリーンの違いはお分かり頂けたかと思います。

では、どのような時にマスク有りスクリーンを選べば良いのでしょうか。
また、その逆にマスク無しスクリーンはどういう時に選定するのがオススメなのでしょうか。

用途に応じてオススメがありますので、ご紹介します。

黒マスク有りがオススメな場合とは

映像に拘りたいホームシアターユーザーは黒マスクありのスクリーンを選ぶことが多いです。
ご自宅でBlu-rayやDVDなどを使用して映画コンテンツを没頭し方は、映像の視覚的な効果が期待できるマスク有りがオススメでしょう。
その場合、16:9のアスペクト比のスクリーンを選ぶケースが大多数を占めます。

(参考記事)
スクリーンサイズの画面比率(縦横比)の違いとは?最適なアスペクト比の選び方

マスク無しがオススメな場合とは

ホールに設置したスクリーン
ホールに設置したマスク無しの大型スクリーン

アスペクト比に左右されること無く、様々な映像をスクリーンいっぱいに映すことが可能なマスク無しのスクリーンは、ビジネスシーンで使用されています。
パワーポイントを使用したプレゼン、Youtubeの映像、各種資料など、様々なアスペクト比の映像を映すことが想定されます。
マルチな映像に対応する必要がありますので、マスク無しスクリーンがオススメです。

また、結婚式場やカフェなど、黒マスクがマッチしない場所でも、マスク無しが選ばれることが多いです。
環境に左右されないのがマスク無しタイプです。

要約すると、映像の見え方の違いと映像のアスペクト比をどのように検討することで、マスク有りとマスク無しを選定することになります。

上記のように書きましたが、マスク有り無しで絶対にこっちを選ぶと言った決まりはありません。
ホームシアターでもマスク無しを選ぶこともあります。
本記事を参考にマスクの有り無しを選んで頂ければと思います。

まとめ

黒マスク有り無しの仕様の違でそれぞれの特長とメリット・デメリット、選定のポイントをご紹介しました。
スクリーン選びでマスク有りにしようか、はたまた無しにしようかと悩んでいる人は、是非参考にしてもらえたらと思います。
ビジネスシーンではマスク無しがオススメですよ。