プロジェクターを天井に設置する天吊りの方法

プロジェクターの天吊り方法

ご自宅のホームシアター専用ルームやリビング、寝室、さらには会社の会議室や店舗において、プロジェクターを設置する方法として、天井吊り下げ(天吊り)はポピュラーな方式のひとつです。
スペースを有効に使え、すっきりとした見た目を保つことができます。
しかし、プロジェクターを天井に吊るすためには、いくつかの重要なポイントを理解しておく必要があります。
本記事では、天吊り設置に必要な金具の選び方や注意点、取付方法などをわかりやすく解説していきます。
これからご自宅でホームシアターを導入したい方はぜひ参考にしてください。

天吊り設置のメリット/デメリット

プロジェクター天吊金具
↑の写真はホームシアター導入レビューで紹介してます(>レビューはこちら

まず、天吊りでプロジェクターを設置する主なメリット/デメリットについて見ていきましょう。

天吊りのメリット

  • 省スペースで設置できる
    天井に設置するため、床や棚の上を占有せず、部屋全体がすっきりとした印象になります。
  • ケーブルが目立たないように配線できる
    天井裏やモールを使って配線すれば、電源ケーブルや映像ケーブルを目立たずに処理することができ、美観も損ねません。
  • 子どもやペットの干渉を防げる
    高い位置に設置することで、誤ってぶつけたり、ケーブルを引っ張ったりするリスクが低減します。

天吊り設置のデメリット

一方で、天吊りには次のような注意点や短所も存在します。

  • 設置がやや手間
    天井にビス止めや金具の固定が必要なため、初回の設置には時間と手間がかかります。
    下地にしっかり取り付ける必要があります。
  • プロジェクターの位置変更が難しいことも
    一度取り付けてしまうと位置を変更するのが難しく、投影位置の調整には金具の角度や向きを細かく調整する必要があります。
    ただ、レンズシフト搭載のプロジェクターであれば、画角の調整ができますので、デメリットとしては考えにくいでしょう。
  • 建物への穴あけが必要な場合がある
    賃貸住宅などでは天井に穴を開けられない場合があり、設置そのものが難しいケースもあります。
    こればっかりは物理的な制約のためしょうがないです・・・。

これらのメリットとデメリットを理解したうえで、ご自身の環境や使い方に合わせて天吊り設置を検討すると良いでしょう。

天吊りには専用の「プロジェクター天吊り金具」が不可欠

プロジェクター天吊金具
↑の写真はホームシアター導入レビューで紹介してます(>レビューはこちら

プロジェクターを天井に取り付けるには、必ず「天吊り金具(マウント)」を使用する必要があります。
これらの金具は、プロジェクターをしっかりと支え、安全に設置するための器具です。
製造元がしっかりとした信頼性の高い商品を選ぶことが大切です。
安全第一です!

金具には「耐荷重」の確認が必須

天吊り金具を選ぶ際には、必ず「搭載可能質量(耐荷重)」を確認しましょう。
プロジェクター本体の重量は、様々です。
非常に軽い1kg程度のものもあれば、JVCやSONYのシアター専用の本格的プロジェクターでは10kgを超えるのはざらで、JVCの8Kプロジェクターは20kgを超えます。
天井に設置した数キロの物が落下すると一大事です。
まして20kgなんて考えると・・・。
プロジェクターの重さにしっかり対応できる耐荷重の金具を選ばないと、落下事故の原因になります。
確認しましょう。

天井の高さによっては延長パイプの使用も

プロジェクター金具のパイプ
パイプがセットされた天吊り金具

一般的な住宅の天井高は2.4メートル前後ですが、オフィスビルやホールなどでは3メートル以上になることもあります。
天井の高さに応じて金具のタイプも選択する必要があります。
2.4m程度の一般家庭では天井に直付けタイプの金具で良いでしょう。
一方、会社の会議室やホールなど天井が高い場所ではパイプ付きの金具を選択します。

プロジェクターにマッチする金具の選び方

天吊り金具には「汎用タイプ」と「専用タイプ(ねじ穴加工)」があります。

汎用タイプの金具

汎用タイプのプロジェクター天吊り金具
汎用タイプのプロジェクター天吊り金具

汎用タイプは、多くのプロジェクターに対応するよう設計されており、ねじ穴の位置に合わせられるよう、取り付けアームの可動範囲が広いのが特長です。

汎用タイプの金具
汎用タイプは取付部分が伸び縮みするなど、あらゆるプロジェクターのネジ穴にマッチするよう工夫されています


また、角度や向きを細かく調整できるモデルが多く、設置後の映像の歪みやズレを修正するのにも非常に便利です。(すべてのプロジェクターにマッチする訳ではありません)
但し、投影角度を変えて台形補正をすると、映像が劣化します。
映像に拘るのであれば、スクリーンとプロジェクターは正面に相対しドットバイドットで投影するようにしましょう。
プロジェクターのレンズシフト機能を使用して調整しましょう。

取付ベースに穴を開けて使用する専用品タイプ

専用タイプの取付方法
金具の取付ベースに搭載するプロジェクターにマッチする穴を開けます

一方で、汎用品では取り付けが出来ないプロジェクターやの場合、金具の取付ベースにプロジェクター取付穴を開け、事実上の専用品として使用するケースもあります。
ホームシアターマガジンストアでは「汎用タイプ」「専用タイプ」の両方の金具を取り扱っています。
専用タイプの場合、設置するプロジェクターの機種を確認して、取付ベースに予めネジ穴を開けてご提供しています。

天吊り時のプロジェクターの設定は?

プロジェクターの投影方法
プロジェクターの投影方法

プロジェクターには設置姿勢に応じた投影モードがあり、天吊りに合わせたモードがあります。
主に「フロント」「リア」「フロント天吊り」「リア天吊り」などがあり、視聴環境に合わせて設定します。
プロジェクターを天吊りにして、フロント投写のスクリーンを使用する際は「フロント天吊り」に設定します。
(プロジェクターメーカーにより表現は異なると思います。説明書でご確認ください。)

まとめ

プロジェクターの天吊りは、限られた空間を有効活用しながら、よりプロフェッショナルな映像環境を整える手段として非常に優れています。
ただし、器具の選定から設置まで、細かい配慮が必要不可欠です。
投写距離、天井高、投影サイズなど、緻密な計算をしたうえで商品選びをする必要があります。

また、今回の記事では詳しく触れていませんが、金具の芯(パイプ芯)とプロジェクターのレンズ芯を合わせ、スクリーンセンターに来るように設置することで、綺麗に投影できます。(気分もすっきりします)
よって、金具の芯とプロジェクターのレンズ芯がマッチできる金具を選ぶことがおすすめです。

取り付けについてはDIYで設置する方もいます。(自己責任です)
自信が無い方はプロに依頼しましょう。

商品選定やプロジェクター選びなどでお悩みの際はお気軽にご相談ください。

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