テレビとスクリーンを両立するリビングの2wayシアターでテレビに干渉しないスクリーン選びのコツ

スクリーンの巻き方の違い(正巻きと逆巻き)

ホームシアターの人気が高まる中、リビングでも映画館のような映像体験を楽しむ方が増えています。
そんな中、注目されているのが、リビングで楽しむ「2wayシアター」で、テレビとプロジェクタースクリーンの両方を使ったスタイルです。
日常的な情報番組やニュース、バラエティ番組などはテレビで楽しみ、週末の映画鑑賞やスポーツ観戦ではダイナミックな大画面スクリーンで非日常感を味わう楽しみ方です。
そんな贅沢な映像体験ですが、いざ実現しようとすると、設置に課題があります。
今回はそんな課題解決法をご紹介します。

リビング2wayシアターの課題:スクリーンとテレビの干渉

2wayシアターの構築にあたり、直面するのが「スクリーンとテレビの干渉問題」です。
リビングでは限られた壁面スペースを効率よく使う必要があり、テレビを壁掛けやテレビ台に置くと思います。
この場合、テレビの真上にスクリーンを設置した場合、スクリーンを下ろすと、テレビにぶつかります・・・。

でも、スクリーンはなるべくテレビ側に設置したいのが人の性と言うのでしょうか、可能な限り壁側の天井にスクリーンを設置したい・・・でもテレビにぶつかる・・・そんなジレンマに陥ります。

新築やリフォーム時には天井面にスクリーン収納ボックスを設け、スクリーンを見えなくする方も多くいらっしゃいます。
ボックスも可能な限りテレビの壁側に寄せたいです。

さすがにスクリーンの手前にテレビを台置きすることもありません。

うーん、困った。

昨今、テレビの厚さは薄くなってきましたが、それでもこの課題はつきものです。
テレビを壁に埋め込むような工事も現実的には選択肢としてかなり限定的です。

しかし、それを解決する方法があるんです。

解決策:スクリーンの巻き方を工夫する

この課題を解決するのが「スクリーンの巻き方」です。

通常のスクリーンは「正巻き」と呼ばれるスタイルで、巻かれたスクリーンが壁側(つまり設置面側)に垂れ下がる構造になっています。
下のイラストを見てください。(分かりやすいようにスクリーンを巻き取るローラーは極太にしています。極太すぎですが・・・)

正巻き

この場合、壁面に近い位置にスクリーン設置し、スクリーンを下ろすと壁面すれすれに降りてきます。
スクリーンシアターを楽しむ専用ルームなどではこの方式で良いでしょう。

しかし、2wayシアターの課題であるテレビとの干渉を防ぐためには正巻きとは異なる巻き方でクリアできます。

これを解決するのが「逆巻き」仕様のスクリーンです。

逆巻きとは、スクリーンが視聴者側、つまり手前側に向かって下りてくる巻き方のことを指します。
言葉で説明するよりも下のイラストを見てもらえば分かります。

逆巻き

正巻きと逆巻きを比較すると、違いは一目瞭然。

巻き方によるテレビの干渉

この巻き方を選択することで、スクリーンをテレビの前に下ろし、テレビと干渉することなく、すっきりとした設置が可能になります。

巻き方の変更ができることを知らない方も実は多く、お客様から「え、そんなことできるの?」といった声をよく頂きます。

だからこそ知って欲しい!
巻き方を変えることができることを声を大にして言いたいです。

この「逆巻き」仕様は、特注やオプション対応として提供しているスクリーンメーカーもあります。
もちろんオーエスのスクリーンは逆巻きにも対応しています。
ECサイトでも対応していますので、お気軽にご相談ください。

スクリーン設置のコツと逆巻きの注文

では、スクリーンの巻き方を選ぶ際にどのような点に注意すればよいのでしょうか。

スクリーン設置位置の確認

まずは、自宅のレイアウトに合わせて「正巻き」と「逆巻き」のどちらが適しているかを検討しましょう。

逆巻きにしたからと言って、テレビとスクリーンを同じ壁に設置することはできません。(さすがに無理です。)
スクリーンを天井に設置する際は、テレビとスクリーンのクリアランスを計算してください。

逆巻きにすることで正巻きよりもクリアランスを少なくすることができ、壁に近い側にスクリーンを設置することができます。
小さな事と思われるかもしれませんが、神は細部に宿ると言われる通り、巻き方を知っているか知らないかで2wayシアターを構築することに差が出ます。

スクリーンの設置位置について、テレビを壁掛けする場合、テレビの厚さと壁掛け金具の厚さを計算して、スクリーンの取付位置を検討しましょう。
壁から200mm程度の位置にボックスを設けるのが一つの目安ですが、必ず、設置予定のテレビと金具の厚みで計算してください。

注文時に指定しよう

何の指定をすることなくスクリーンを注文すると、正巻き(規格品)のスクリーンが届きます。
逆巻きを希望の際はスクリーンを注文時に申込しましょう。
出来上がってからの変更はできません。

逆巻きのデメリットと下黒延長

2wayシアターの際、スクリーンを逆巻きにすることはメリットだらけと思うかもしれません。
実はデメリットもあります。
それはスクリーン生地が外側を向いて巻かれている事です。
それによりスクリーンを長期間収納していることで、どうしても埃がたまりやすくなります。

正巻きの場合、映像面はローラーの内側に巻き取られますが、逆巻きの場合、外側に向いてます。
(うちは埃が無いから大丈夫!という方もいるかもしれませんが・・・)

その対策として、下黒(スクリーン下部のマスク部分)を長くして、映像面に埃がたまらないようにすることができます。
だいたい200mmくらい下黒をとることで、スクリーンを巻き取った時の上面に黒いマスク部分が来るようにします。

下黒の延長
下黒を延長して収納時にスクリーン投影面に埃がたまるのを防ぎます

通常、下黒の長さは50mm程度です。
それを200mmにすることで埃の影響を抑え、いつでも快適な映像を楽しむことができます。
天井の照明を思い出してください、やはり埃の影響って少なからずあるんですよね~。

このようなカスタムが出来るスクリーンメーカーを選定することもスクリーン選びでは大切なことです。
自社の宣伝のつもりはありませんが、オーエスならカスタムできますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

テレビとスクリーンを両立させる2wayシアターは、設置の工夫次第でとてもスマートに仕上げることができます。
特にスクリーンの巻き方を工夫することで、物理的な干渉を避け、快適な視聴環境を実現することが可能です。

折角作り上げるシアターであれば、可能な限りこだわりを詰め込みたいところです。
2wayシアターを検討中の方にはぜひおすすめしたい選択肢です。

ホームシアター用のスクリーンカスタムのご相談は下記のフォームよりお気軽にどうぞ!
逆巻き、下黒延長、なんでもござれです。

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